憲法改正の議論が参議院でスタート!各党の主張をわかりやすく整理してみた
2025年、参議院で今の国会はじめての「憲法審査会」が開かれました。高市総理が「1年以内に憲法改正の発議をめどにしたい」と意欲を示したことをきっかけに、各政党がさまざまな意見を主張。この記事では、難しい憲法改正の話を、各党の立場ごとにわかりやすく整理してお伝えします。
そもそも「憲法審査会」って何?
「憲法審査会」とは、国会(衆議院・参議院)に設置された、日本国憲法について話し合う専門の委員会です。憲法を改正すべきかどうか、改正するならどんな内容にするかなどを、各党の議員が議論する場です。
憲法を改正するためには、まず国会議員の3分の2以上が賛成して「国民投票にかけることを発議(提案)」し、その後、国民投票で過半数の賛成を得る必要があります。つまり、国民一人ひとりが最終的に「賛成・反対」を決める制度です。
今回の参議院の憲法審査会は、今の国会(通常国会)で初めて開催されたもので、各党が改憲についての基本的な考え方を表明しました。高市総理が「1年以内に国会発議のめどをつけたい」という強い目標を掲げていることもあり、例年より注目度が高い審査会となっています。
「改憲を急ぐべき」という立場の主張
改憲に積極的な立場からは、いくつかの主張が出ました。
▼自民党(中西議員)
自民党が長年訴えてきた「自衛隊の憲法への明記」など4つの改憲項目を改めて主張しました。現在の憲法9条には「戦争の放棄」「戦力の不保持」が定められており、自衛隊の存在が憲法上あいまいだという指摘が以前からあります。また、「合区(がっく)」と呼ばれる、選挙区の区割り問題の是正も訴えました。合区とは、人口の少ない県どうしを一つの選挙区にまとめた制度で、参議院の一票の格差解消が目的ですが、地元の声が届きにくくなるという批判もあります。
▼日本維新の会(片山議員)
「条文起草委員会」という、実際に憲法改正の文章(条文)を作る専門チームを憲法審査会の下に設置すべきと提案しました。議論だけでなく、具体的な改正文案づくりに進もうという姿勢を示しています。
▼国民民主党(山田議員)
「自分の国は自分で守る」という観点から、変化する国際情勢やAI技術の進化に対応するために憲法を見直す時期が来ていると主張しました。
「改憲に反対・慎重に」という立場の主張
一方、憲法改正に反対・慎重な立場からも複数の意見が出ました。
▼立憲民主党(小西議員)
高市総理の「1年以内の発議」という目標について、「憲法審査会の実態とかけ離れた、改憲ありきの主張であり、国民を欺くものだ」と強く批判しました。また、最近の日米首脳会談でホルムズ海峡(中東の重要な海の通り道)への艦船(軍の船)派遣が話題になったことを引き合いに出し、「現在の憲法が海外への派兵に歯止めをかけた」と評価し、9条の改正に反対しました。また、維新が提案した条文起草委員会の設置にも反対の立場を示しています。
▼共産党(山添議員)
「権力の座にある総理が期限を区切って改憲を迫るのは論外だ」と批判し、こちらも条文起草委員会の設置に反対しました。
▼れいわ新選組(奥田議員)
「日本は憲法によって守られてきたことを忘れてはならない」と述べ、憲法改正に反対する立場を明確にしました。
ちょっと違う視点からの主張も
今回の審査会では、改憲賛成・反対という二項対立だけではない、ユニークな主張も見られました。
▼公明党(谷合議員)
公明党は「加憲(かけん)」という独自の立場を主張しました。「加憲」とは、今ある憲法の条文を変えたり削ったりするのではなく、必要な内容を「付け加える」という方式です。現憲法の基本的な精神(国民主権・平和主義・基本的人権の尊重)は守りつつ、時代に合った規定を追加しようという考え方です。また「参議院は衆議院に追従せず、丁寧に議論を進めることが重要」とも強調しました。
▼参政党(塩入議員)
既存の憲法を部分的に改正するのではなく、「国民が主体となって一から作り直す『創憲(そうけん)』を目指すべき」と主張しました。戦後80年を迎えた今こそ、「借り物の憲法から卒業する時」と訴え、他の党とは一線を画す主張を展開しました。

背景・経緯
日本国憲法は1947年に施行されて以来、一度も改正されたことがありません。戦後80年が経過するなか、安全保障環境の変化・デジタル技術の進化・少子高齢化など、憲法制定当時には想定されていなかった課題が山積しています。自民党は以前から自衛隊の明記や緊急事態条項の新設などを改憲の主要テーマとして掲げています。一方、立憲民主党や共産党などは「現憲法の平和主義の理念が重要」として改憲に慎重または反対の立場をとってきました。今回、高市首相が「1年以内の発議」という具体的な期限目標を掲げたことで、与野党の対立が改めて鮮明になっています。
今後の展開予想
今後の展開としては、大きく2つのシナリオが考えられます。①維新の提案する「条文起草委員会」が設置され、具体的な改正文案の作成に向けた議論が加速するシナリオ。②立憲・共産などの反対により委員会設置が見送られ、各党の意見表明にとどまった審議が続くシナリオ。衆参両院での勢力バランスや国民世論の動向が、今後の憲法論議の行方を左右する鍵となりそうです。
まとめ
今回の参議院憲法審査会では、改憲に積極的な自民・維新・国民民主と、慎重・反対の立憲・共産・れいわが改めて対立する構図が浮き彫りになりました。憲法は私たちの生活の根幹に関わるテーマです。各党の主張をしっかり理解したうえで、私たち自身も考えていきましょう。
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元記事:Yahoo!ニュース
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